災害が起きたとき
それまでと同じように授乳を続けられることは
お母さんと赤ちゃんの安心となります
平時から知っておきたい
災害時に役立つ情報をまとめました
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*ダウンロード・印刷OK
*各国語版もあります。
群馬県 にわのさん
2歳差の姉妹のタンデム授乳(きょうだい同時期授乳)をして、もう3年になります。長女は5歳、次女は3歳になりました。半ば呆れている周囲の雰囲気も感じつつ、私も「いい加減、やめてくれないかな」と思いながら半分惰性のように授乳をしていました。
そんな中、授乳によって私自身が救われているのを知ったのは、今年の東日本大震災の時でした。私たちの住む地域は津波や家屋の倒壊などの大きな被害こそなかったものの、3月11日に襲ってきた強い揺れ、連日連夜の余震、テレビから流れる凄惨な映像、原発事故による放射能の恐怖。小さい子どもを抱えてどうしたらいいのか、その不安に眠れない夜が続きました。
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しかし、眠れない日の中でも両脇に子どもの暖かい温もりを感じながら授乳をしているうちに、私も安心感を得、だんだんとではありますが、眠れる夜を取り戻していきました。そして、それは2人の娘も同じだったようです。3月半ばは、不安からなのか夜中に起きる回数も多かったのですが、次第に夜を通して寝るようになり、朝まで3人でぐっすり…という日も多くなりました。
2歳過ぎてからの母乳育児、まだ世間にそのメリットが広まってはいないようですが、育児が大変な時にこそ長く授乳していてよかったと、私は感じています。
何かいやなことがあったときには普段より早くおっぱいを求めてくる5歳の長女に「おっぱいって、どんななの?」と聞きました。「甘くて、あったかくて、飲むと元気!(←ガッツポーズ)になる」という答えが笑顔で返ってきました。
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(本文より一部紹介)
体重が減ったり、やせていたりするお母さんも母乳を出すことができますし、その母乳は、赤ちゃんが成長するのに十分に栄養のあるものです。厳しい飢餓状態では、母乳育児が難しくなることがあるかもしれませんが、ほとんどの緊急的な状況においては、そうしたことはまれでしょう。
緊急時に食料供給を受ける優先グループの1 つとなるのは、母乳育児中のお母さんたちです。お母さんが食べることができれば、赤ちゃんも栄養を得られるのです。
女性の体は、災害など危機的な状況にあるかどうかにかかわらず、母乳育児中には異なった順応をしていき、食品に含まれる栄養をより効率よく利用し始めます。
母乳育児をするために「特別な食べ物」は必要ありません。
また、「食べてはいけないもの」という決まりもありませんから、手に入るものを食べましょう。
被災時の乳幼児栄養や授乳などの相談を受けています。
災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会は、NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会、NPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本、母乳育児支援ネットワークの3団体からなる母と子の育児支援ネットワークの一部門です。
母乳育児支援連絡協議会は次の団体により構成されています。
一般社団法人 日本母乳哺育学会
一般社団法人 日本母乳の会
NPO 法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会
NPO 法人 ラ・レーチェ・リーグ日本
災害が起きたときも、母子がいっしょに過ごし、母乳を与えることができれば、母子の心身の健康の助けになります。災害が起きたとき、その地域に普段から母乳で育っている子が多ければ多いほど、乳児用ミルクの必要な子へ必要な物資を行き渡らせ、その健康を守ることにもつながります。
平時からの母乳育児支援や情報発信が、災害時の力となります。