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【災害時の心配】

災害時に母乳が役立つと聞きました。混合栄養ですが、母乳の量を増やすことはできますか?

たいへんな災害が起き、避難所などいつもと違う環境のなかでの生活をされ、食事をするのさえもやっとのことと思います。多くの不便に耐えながら赤ちゃんと一緒の生活で、配給を待たなくても与えられる母乳の分泌をできるだけ増やしたいという思いがあるのですね。

今から母乳の量を増やしたい場合は、次のような方法があります。

  1. まずは母乳がたりているかどうかの目安を確認します。 (母乳がたりているかどうかの目安は 赤ちゃんがよく泣きます。母乳がたりないのではと心配です をご覧ください)
  2. 赤ちゃんが欲しがるたびに欲しがるだけ授乳します。
  3. 授乳の方法を振り返ります。
    ・赤ちゃんが首をねじる必要がないように、赤ちゃんの体の前面をすべてお母さんに密着させて抱く。
    ・赤ちゃんが大きな口を開けたときには、赤ちゃんの頭はやや後ろに傾いて、乳首の高さに鼻が来ている。
    ・その状態で乳房に向かって近づくと、あごが先に乳房につく。
    ・そうすることで口の上側よりも下あご*で乳房の多くを口に含むことができる。
    ・赤ちゃんを乳房に抱き寄せるときは、乳首が赤ちゃんの口の中で上あご**に向かうようにする。
     下あご*:下顎(かがく)上あご**:口蓋(こうがい)
     (ラ・レーチェ・リーグ日本発行『赤ちゃんは十分に母乳を飲んでいるかしら』参照)
  4. 1日にぬれるおむつの枚数を数えます。おむつが十分ぬれていて、うんちもたくさん出ているようなら、思っているほど、たりないわけではないのかもしれません。その場合は、乳児用ミルクを急にやめないで徐々に減らしていき、どんどんおっぱいを吸わせましょう。
  5. おっぱいを十分吸わせてももっと欲しがるときは、コップで乳児用ミルクをたします。哺乳びんの消毒がむずかしいときは、特に、哺乳びんを使わずにすぐに洗える容器や使い捨ての容器を使ったほうがいいでしょう。赤ちゃんの吸いたい欲求には、哺乳びんやおしゃぶりではなく、母乳を与えるようにすると、赤ちゃんがより多くの母乳を飲むため、分泌がより増える助けになります。
  6. 乳首への刺激がたりないときは手でしぼります。
  7. たくさんスキンシップを取って、赤ちゃんとできるだけゆったりと過ごせるようにしましょう。

乳児用ミルクをあげるときは

  • 粉ミルクは70℃以上で調乳する(一度沸騰させて熱いうちに溶かす)ことができれば、細菌を死滅させることができます。
  • 調乳後の粉ミルクも液体ミルクも飲まなかった分は破棄します。使わなかったミルクを、大きな子どもや大人がすぐに飲むのはかまいません。

このようなたいへんな状況であるにもかかわらず、何よりも大切なことは、お母さんがずっとされてきた母と子のふれあい(マザリング)そのものです。被災され、難しい状況のときもあるかもしれませんが、リラックスすることが大切です。多くの場合はリラックスして赤ちゃんにどんどん吸わせれば母乳の量が増えていくものです。
(『だれでもできる母乳育児』153ページより抜粋)

今は日常と違って特別な状況下で生活をされているので、リラックスすることが難しいと感じられるかもしれませんね。リラックスの方法にはさまざまなものがあります。自分がいらいらしたり、緊張していたりするときは、1分でいいですから深呼吸してみましょう。軽く体操をしてもいいでしょう。緊張した筋肉がほぐれ、血液の循環もよくなりますよ。赤ちゃんと一緒に体操をするのも楽しいですね。天気がよければ、赤ちゃんと散歩してみましょう。
(同89ページより抜粋)

中には非常にまれですが、さまざまな理由で母乳の量が赤ちゃんの必要とする量まで増えないお母さんもいます。母乳を少しでもあげることで、それだけ赤ちゃんは感染症にかかりにくくなります。乳児用ミルク、あるいは月齢が進んでからは離乳食を与えながら、母乳を続けることができます。

(改訂:2024年4月2日, 2019年4月3日,2018年3月22日)
作成:「災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会」


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