避難所生活をされていたり、あるいはご自宅にいらっしゃっても後片付けに追われていたりして思うように授乳ができず、乳房が張ってきて痛みもあり、心配されているのですね。 このような状況下では、授乳に時間をかけることがなかなかできないため、授乳間隔があきすぎてしまったことが原因の1つになることがあります。
乳房に痛いところがある、赤くなっているところがある、しこって痛いところがあるなどの症状がある場合、一部の乳管がつまって母乳が流れにくくなっていると考えられます。困難な状況が続き、疲れていらっしゃるのでしょう。働きすぎや疲れているサインですので、赤ちゃんと一緒に横になるようにして可能な限り身体を休めるのが快復への一歩です。
授乳する直前に可能であれば温かく湿ったタオルをあてたり、使い捨てカイロを使ったりして痛みやしこりのある部分を温めると効果的です。
痛みやしこりのある部分が温かいうちにやさしくなでて、すぐに授乳してみましょう。痛みのあるほうの乳房から赤ちゃんに飲ませます。つまっているほうに赤ちゃんのあごがくるような方向で飲ませてみましょう。
避難場所にいる場合はなかなかできないかもしれませんが、寝たままで飲ませる、座る場所を変えてみる、脇に抱いて飲ませるなど、赤ちゃんの位置をいろいろ変えてみる方法もあります。
そのときはお母さんと赤ちゃんの体が平行に向き合っているか、赤ちゃんが首をひねったり、頭を後ろにそらしたりして乳首だけを吸うかたちになっていないか注意してください。乳輪の部分をできるだけ深く含ませると、赤ちゃんは母乳を効果的に飲むことができます。
(『だれでもできる母乳育児』128~130ページより抜粋 一部改変)
張って痛いときはなるべくひんぱんに、赤ちゃんがほしがるときにはいつでも授乳しましょう。
おっぱいをどんどん飲んでもらうと、張りが楽になります。前述の乳管がつまっている場合の対処方法と同様に、授乳の前に温かく湿ったタオルを当てて少ししぼると張りすぎが治まることもあります。楽になるようなら、授乳と授乳の間は氷のう(氷水を入れた袋)や冷却枕などで冷やしてもいいでしょう。タオルなどで巻いて、冷やしすぎないようにします。
乳房が張りすぎていると、赤ちゃんが適切に乳房に吸いつけないのでトラブルの原因となることがあります。最初に手でしぼって張りをやわらげておくといいかもしれません。
(同53~54ページより抜粋)
(改訂:2018年3月22日)
作成:「災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会」
災害時には、それまでと同じように授乳を続けられることが、お母さんと赤ちゃんのとって安心となります。災害時に役立つ情報をまとめました。
災害が起きたときも、それまでと同じように授乳を続けられれば、お母さんと赤ちゃんの安心となります。つどいに参加して、さまざまな母乳育児の情報を得ておくことが、いざというときの助けとなることでしょう。