お母さんの母乳の出(供給量)が十分でなく自分が乳児用ミルクで育ったという話を聞き、もし母乳の供給量が遺伝的なものだとしたら、あなた自身も母乳が十分出ないかもしれないと思い、母乳育児は難しいのではないかと心配しているのですね。
赤ちゃんを母乳だけで育てていく秘訣は、実は思いのほかシンプルです。十分な母乳の供給量を確立して維持していくためには、母乳のつくられるしくみを理解し、どんなことが母乳の需要と供給のバランスを崩す原因になるかを知ることがコツとなります。
母乳の量を確立して維持するためには、乳房から母乳をひんぱんに、かつ十分に外に出すことが大切であるとわかっています。
「赤ちゃんが飲めば飲むほどわいてくる」という母乳分泌の法則を理解することが、母乳育児がうまくいくためのカギです。
乳児用ミルクを与えるときは、哺乳びんにミルクを満たしてから赤ちゃんに飲ませます。母乳でも同じように考えて、乳房が張ってきたと感じるまで待って授乳するように言われることがあるかもしれません。赤ちゃんがひんぱんに欲しがるのに、無理に3~4時間おきなどの長い間隔をあけて授乳していると、母乳の供給量は少なくなってきます。このことを知らずに、乳房が張るのを待ってから授乳するようにしていると、母乳の供給量が維持できなくなり、母乳育児をあきらめるお母さんも少なくありません。
【母乳で育てるコツ】
母乳は赤ちゃんが乳房に吸いつく刺激によってつくられます。赤ちゃんがひんぱんにしっかり飲めば飲むほどたくさんつくられます。ですから赤ちゃんが欲しがるたびに授乳しているお母さんは、十分な母乳供給量を確立して維持できます。つまり、時間をあけずにひんぱんに、しっかり吸われることで、お母さんの体もそれに合わせて赤ちゃんに必要な量の母乳をどんどんつくっていくことになり、それが母乳で育てるコツとなります。
赤ちゃんが生まれる前から母乳で育てたいと考え、母乳育児について情報を得て計画を立てることは、母乳育児のスムーズなスタートにつながります。何か心配なことがあったら、いつでも最寄りのリーダーにお問い合わせくださいね。
インフォメーション・シート『母乳で育てるコツは?』にも参考になる情報がたくさん載っています。
赤ちゃんに母乳をあげたいママが妊娠中から知っておきたい情報をまとめました。
ここに掲載した情報はよくあるケースを想定しているため、すべての方に当てはまるとは限りません。つどいに参加すると、よりあなたにマッチしたヒントが見つかるでしょう。