母乳が出るのはいいけれど、どんどん出てつらいのですね。母乳が勢いよく出て、赤ちゃんがむせるのを見て、かわいそうだな、どうしたらいいのかしらと思っておられる様子から、お母さんの優しい気持ちが伝わってきます。
赤ちゃんが乳房に吸いついてから数分すると、ツツーとさすような感覚がお母さんの体を包み、母乳があふれ出てくるような感じを体験する人がいます。これは射乳反射と呼ばれているもので、1回の授乳中に数回おこります。射乳反射がおきているときは、授乳していないほうの乳首から、母乳がもれてくることもあります。赤ちゃんは、あふれ出てくる母乳に追いつくために、飲み込む回数を増やして対応しますが、時おりついていけなくなって、息をつまらせたり、むせたりします。このようなときは、授乳を中断して、用意しておいたタオルを乳房に当て、赤ちゃんをたて抱きにして呼吸を整えてあげてください。
母乳の分泌を少し抑えたいときは、1回の授乳で片方の乳房だけ飲ませてみてください。授乳後、また飲みたがるようなら、同じ側の乳房から飲ませます。3~4時間たって、次の授乳は反対側の乳房だけ飲ませます。つらかったら少ししぼるのはかまいませんが、しぼりすぎないようにします。
母乳は赤ちゃんが飲んだり、搾乳したりすることで、乳房から出せば出すほどさらに作られます。逆に、乳房が少し張った状態だと、乳汁産生抑制因子という物質が分泌を減らすように働きます。ですから、母乳の分泌を少し減らしたいときは、乳房が少しだけ張った状態になるように、1回の授乳で片方の乳房だけ飲ませるといいのです。
1週間くらいして、母乳のつくられる量と、赤ちゃんの飲む量のバランスが取れてくると、乳房の状態も落ち着いてくるでしょう。
赤ちゃんが欲しがるサインやしっかりと吸い付くコツ、授乳の長さや回数など、授乳について、産後すぐから知りた情報をまとめました。
ここに掲載した情報はよくあるケースを想定しているため、すべての方に当てはまるとは限りません。つどいに参加すると、よりあなたにマッチしたヒントが見つかるでしょう。