インフルエンザに感染したお母さんが授乳すると、赤ちゃんも感染するのではないか、薬を飲んで授乳をすると赤ちゃんに影響があるのではないかと心配になりますね。

風邪やインフルエンザのようなよくある病気のときは、授乳を中断する必要はありません。風邪やインフルエンザは、飛沫感染といって、ウイルスがせきやくしゃみで空気中に飛散することで感染します。母乳から感染することはありません。母乳中には多種類の感染防御因子が含まれているため、授乳を続けるほうが赤ちゃんには利点が多いと考えられます。

できれば、授乳以外の赤ちゃんのお世話はほかの人にお願いして、お母さんはできるだけゆっくりできるといいですね。授乳のときは手洗いをし、マスクをつけておくと赤ちゃんへの感染を最小限にできるかもしれません。とはいえ、お母さんがインフルエンザであることがわかったとき、赤ちゃんはもうすでにお母さんの発病前からウイルスにさらされている可能性があります。そのため、赤ちゃんを守るための感染防御因子の含まれる母乳を続けるほうが、診断された時点で隔離して母乳を中断するよりも、むしろ安全といわれています。

お母さんが薬を飲む場合でも、たいていのかぜ薬は赤ちゃんに影響することはないので、授乳を続けることができます。母乳育児に理解のある医師に相談してみましょう。

お母さんの具合が悪いときほど、おっぱいタイムはリラックスできる貴重な時間になることでしょう。どうぞ、お大事に。