口唇裂や口蓋裂、あるいはその両方を持った赤ちゃんが生まれたときは、はじめは戸惑いを感じられたかもしれません。困難な状況の中でも赤ちゃんの最善を願って、母乳育児をしたいと考えていらっしゃるのですね。
口唇裂だけの場合は手術をする前でも、赤ちゃんの口の中にお母さんの乳首を保つようにすれば、母乳育児をすることができます。
口蓋裂があると、赤ちゃんが吸いつきにくいこともありますが、程度によっては直接乳房から授乳することも可能です。そのためには、赤ちゃんが吸いつけるようになるまで根気強く練習する必要があります。吸いつくのが難しいケースもありますが、たとえ直接吸いつけなくても、母乳は貴重な役割を果たします。
口蓋裂を持った赤ちゃんを育てたあるお母さんは8ヵ月間、母乳を搾乳器でしぼって飲ませたそうです。その結果、赤ちゃんの健康状態は良好で、手術も大成功、回復も早かったと言っています。しぼった母乳を飲ませるときも、乳房から飲ませるときのようにやさしく抱いて授乳しましょう。
出産した病院や赤ちゃんの主治医に母乳で育てたいことを伝え、その方法を相談してみてください。きっとそれぞれの赤ちゃんの状況に応じた母乳育児の方法について、サポートが得られるでしょう。そして困難な状況の中でも、赤ちゃんと密接にふれあうことで、温かく愛情のある関係をつくっていってくださいね。
赤ちゃんやお母さんの病気、手術など、大変なときほど母乳は力を発揮します。それぞれの状況に応じて対応を探るための情報をまとめました。
ここに掲載した情報はよくあるケースを想定しているため、すべての方に当てはまるとは限りません。つどいに参加すると、よりあなたにマッチしたヒントが見つかるでしょう。